添乗員って、どんな仕事してるのか分かりにくいですよね?
こんにちは!manaです。
手配旅行の添乗員としての経験から、実際の仕事内容をご紹介している【元ツアコンが語る!】シリーズです。
前回に引き続き、中学生のサンフランシスコ語学研修の添乗体験記をお伝えします。
前回のブログを読んでいただいてからの方が、分かりやすいと思います。
ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。
ゴールドラッシュの街!サクラメント
まずは、サクラメントについてのご紹介です。
カルフォルニア州の州都であるサクラメント市は、サンフランシスコから車で2時間の場所にある街です。
ゴールドラッシュで栄え、当時の様子が見られる博物館や金鉱跡などが残されています。
現在では、カルフォルニア州の政治・金融の中心地として、急速に発展している街として注目されていますよ。
高層ビルが立ち並ぶ都会ですが、緑も多く、街はゆったりした空気に包まれていて、生活しやすそうな場所だなと感じました。
カリフォルニア州議会議事堂博物館
州議会議事堂は一部公開されていて、見学することができます。
歴史的な展示物や、州知事の肖像画の展示、壁画の鑑賞などができ、さらに州知事の執務室に入ることもできます。
歴代の州知事が座ってきた椅子に、見学者も腰掛けることができ、興奮を覚えますね。
州議事堂を囲むように造られた広大なキャピトルパークは、美しさと豪華さを兼ね備えた公園です。
名称: Capitol Museum
住所: 1315 10th street Sacramento, CA 95814
URL: https://capitolmuseum.ca.gov/
オールドサクラメント
19世紀時代の建物が立ち並ぶエリアで、アメリカの国定歴史建造物地区に指定されています。
ビクトリア朝の建物や、スペイン植民地時代の影響を受けた建物など歴史を感じさせる街並みとなっています。
現在では、多くのショップや飲食店や観光馬車など、観光地としての役割を果たしています。
名称: Old Sacramento
住所: 1101 2nd St Sacramento, CA 95814
URL: https://www.oldsacramento.com/
サクラメント到着!
サクラメントでは、現地在住の日本人団体の方々が出迎えてくれました。
中学生のホームステイ先を手配したり、滞在中のお世話をしてくださりました。
到着後、ウェルカムパーティー(歓迎会)が開催され、中学生とホストファミリーの引き合わせがありました。
ホストファミリーに連れられて、中学生は10日間のホームステイが始まります。
その間、引率の先生と添乗員は、市内のモーテルと呼ばれる場所に滞在することになりました。
モーテルとは、motorとhotelの合成語で、自動車で移動する旅行者にとって、便利な立地やサービスを兼ね備えたホテルのことです。
室内も広く清潔で、快適なモーテル生活でした。
ホームステイ中も、平日の日中は、皆で行動していました。
英会話のクラスや、金鉱跡の見学、歴史の勉強、観光などで毎日忙しくしていましたよ。
週末の休みは、中学生はホストファミリーと共に過ごすため、先生と添乗員は、フリータイムになります。
土曜日は、ホストファミリーに訪問して、どんな様子かを見に行きました。
小さな子がいるホストファミリーだと、子供同士仲良くなるので、コミュニケーションも上手に取っていました。
大人だけの家庭だと、すぐには馴染めない場合も多いので、ホストファミリーの選定も考えられているなぁと感じました。
日曜日は完全フリータイムで、先生方も思い思いの時間を過ごしておられましたよ。
サクラメント出発の前にはフェアウェルパーティー(送別会)も開いてもらい、充実した時間を過ごすことができました。
再度、サンフランシスコへ
日本に帰る前に、もう一度サンフランシスコに戻ります。
今回は大学寮ではなく、ホテル泊で1日半ほどの時間を市内観光することができました。
1泊半の市内観光では、現地ガイドはついていなかったので、バスドライバーさんに教えてもらいながら、案内していました。
ちなみに、海外添乗では現地ガイドがいない場合もよくありますよ。
初めての場所では、事前の下調べが大切です。観光地やレストランまでの道のりで迷うわけにはいきません。
ホテルにチェックインした後の夕食までの短い間に、レストランまでダッシュで下見に行きました。
今ならスマホのナビ機能がありますが、私の添乗員時代に頼りになるのは、地図と己の方向感覚のみでした。
私はありがたいことに、一度通った道は忘れないという方向感覚の持ち主なので、迷うことはありませんでした。
それでも、初めての場所は緊張するので、下調べや下見は欠かすことはありませんでしたよ。
トラブル発生!
日中に市内観光をしていた時に、トラブルに巻き込まれました。
添乗員の私を先頭に、12名の生徒が続き一列になって歩いていたら、後ろの方から生徒が走ってきました。
「〇〇先生の財布が盗まれて、●●ちゃんが追いかけていった!」
あまりの衝撃的な内容にビックリしたよりも、怖くなりました。
校長先生にその場を任せ、他の子にも動かないように声を掛けて、生徒指導の男性の先生と走り出しました。
最後尾の女性の〇〇先生は、突然の出来事に放心状態ですが、申し訳ないけど今は●●ちゃんが優先です。
走りながら、怖くて怖くてたまりませんでした。
中学生が、スリを追いかけているという事実に。
正直、財布なんて二の次です。●●ちゃんを止めるためだけに走っていました。
「●●ちゃん止まって!!」と叫ぶも、彼女は止まらず追いかけていきます。
スリ、●●ちゃん、生指の先生、私の順で連なり、大通りを駆け抜けていました。
地下道に入ったところで、ついに、スリが財布を投げ捨てて逃げていきました。
やっと私も追いつき、●●ちゃんの無事を確認できた時ほど、安心したことはありませんでした。
●●ちゃんは、12人の中でも一番大人しい生徒で、いわゆる優等生タイプの真面目な子でした。
きっと誰よりも正義感が強く、考える間もなく走り出してしまったのだと思います。
「気持ちは分かるけど、二度としないでね。でも、ありがとう。」
心配そうに待っていた他の生徒と合流して、呆然としていた先生も我に返り、とりあえずホテルに戻りました。
先生に財布を確認してもらうと、中身は何も盗られておらず無事でした。
添乗員時代に色々なトラブルを経験しましたが、一番「怖い」と感じました。
銃社会のアメリカで、治安の良くないサンフランシスコで、全員が無事でいれたことに本当に感謝です。
日本へ!
成田空港を経由して、地方空港に到着しました。
長時間の移動で疲れた顔をしていたので、最後に声を掛けました。
「この扉の向こうにお父さんとお母さんが待っているよ。笑顔で会おうね。」
無事の帰りを心待ちにされている保護者の方に、笑顔で再会してほしいと思いました。
余談ですが、旅行から帰ってきたときの第一声は、「ただいま。楽しかったよ!」であってほしいと思っています。
「疲れた~」という言葉を発してしまうと、お留守番してくれていた家族に心配をかけるし、「行かなければいいのに」と思われるかもしれません。
次回の旅行のためにも、家族への感謝の気持ちを表すためにも、最初の言葉には気をつけたいですね。
まとめ
サンフランシスコ語学研修は、翌年も続けて添乗させてもらいました。
通常の添乗では体験できないことを2年連続で経験させてもらえて、本当にありがたいですね。
引率の先生方とも仲が良くなり、私が訪れるタイミングに合わせて、飲み会を開いてくれたりしました。
手配型添乗は、ツアー型添乗と比べて、慣れないことやイレギュラーなことが多いです。
添乗員も柔軟な対応力が求められ、「そこまでするの?」ということも多いかもしれません。
それでも、お客さんに楽しんでもらえるなら、この旅行がお客さんの一つのきっかけに繋がるなら、私はできることをします。
それが、私の「添乗員としての誇り」だったと思います。
添乗員に興味のある方にとって、少しでも参考になってもらえると嬉しいです。
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