【オミクロン株】感染拡大を受けて医療関係者が思うこと

雑記ブログ

新型コロナウイルス感染症の感染が急速に拡大しています。

医療機関に勤める者として医療業界の現状と、みなさんに心がけてもらいたいことをお伝えします。

こんにちは!manaです。

通常は、元ツアコンの経験を生かして、添乗員のお仕事や旅行関連についてご紹介しています。

現在は、医療機関でコロナ対応を含む業務に従事している事務職です。

コロナ受入病院としての現状や、現在の感染拡大に関してお伝えしますので、参考にしてみてくださいね。

オミクロン株について

現在、急速に感染が拡大しているオミクロン株ですが、感染力が非常に強いと言われていますよね。

私が勤務する大阪府内でも、令和4年1月に入ってから、新規感染者数は4倍速以上のスピードで増加しています。

おそらくオミクロン株だと考えられますが、臨床現場では、実際のところオミクロン株かどうかは分かりません。

コロナ検査ができるほとんどの医療機関では、「陽性」か「陰性」か、陽性の場合のCt値がどの程度かを測定することまでしかできません。

陽性者が「オミクロン株」か、「デルタ株」か、もしくは「それ以外」なのかは分からない場合がほとんどです。

保健所の依頼に基づき、検体を検査機関へ提出し、ゲノム解析で識別する方法がありますが、日数がかかります。

現状では、ゲノム解析を行っても、「デルタ株ではない」ことを識別することで、「オミクロン株」として結論づけているだけと言われています。

つまり、「オミクロン株」という識別する検査方法はなく、「デルタ株ではない」のであれば、「オミクロン株である」という判断をしているということです。※令和4年1月9日現在

臨床現場について

実際に、臨床現場で患者さんの治療にあたるスタッフは、日数がかかる不確定な検査結果を待っているわけにはいきません。

目の前に苦しんでいる患者さんがいたら、「オミクロン株」であろうが、「それ以外」であろうが関係なく治療します。

現在の感染状況から鑑み、新規感染患者は「オミクロン株」だろうと考えて治療をしています。

抗体カクテル治療薬「ロナプリーブ」が、オミクロン株に対しての有効性が低いとされているので、「ゼビュディ」を使用するなどと判断して治療を開始します。

来るかどうか分からない検査結果を待ちながら、数日間患者さんに「何もしない」わけにはいかないのです。

医療スタッフの感染リスク

最前線でコロナ対応に従事しているスタッフは、もちろん感染リスクは高いです。

無症状患者が多いオミクロン株なので、コロナ以外の患者さんに対応するスタッフも感染リスクが高くなります。

スタッフも公共交通機関を使って通勤するため、市中感染のリスクもあります。

つまり、誰でも感染リスクはあるということですよね。

一人でもスタッフが感染してしまうと、同じ部署のスタッフや対応した患者さんに対して一斉検査を実施します。

新たな陽性者が発覚すると、さらに検査対象者を増やし、院内に陽性者がいないかどうかを確認します。

5人以上の陽性者が出ると、クラスターと認定されることになります。

医療機関で勤務するスタッフは、常に感染リスクと向き合いながら、自身の体調管理を徹底し、感染しないように、クラスターを発生させる原因とならないように気を付けています。

黙食徹底、人の集まる場所には行かない、飲み会に参加しないなど、医療スタッフとしての自覚と責任を持った行動を常に求められています。

でも、医療スタッフも人間です。

普通に生活をしているだけで、感染するリスクがあります。

感染したスタッフを責めることはもちろんしないし、濃厚接触者となり出勤できなくなったスタッフがいても、出勤できるスタッフでカバーするしかありません。

誰が悪いわけでもなく、仕方のないことです。

でも、やっぱりスタッフが少ないと現場は回らず、患者さんに安心安全の医療サービスを提供することが難しくなります。

沖縄の病院について

1月8日の沖縄では、新規感染者数が1700人を超える驚異的なスピードで増加しています。

感染拡大に伴い、医療スタッフが感染したり、濃厚接触者となり出勤できない状況が発生していますよね。

人員不足のため、外来診療の休止や一部制限などが発生しています。

コロナ以外の患者さんの診察機会が奪われる結果になってしまうのです。

医療従事者について、家庭内感染等により濃厚接触者となった場合、下記の要件および注意事項を満たす限りにおいて、医療に従事することは不要不急の外出にあたらないとして外出自粛要請を行うことも可能である

厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部 
事務連絡令和3年8月13日(令和3年8月 17 日一部改正)

濃厚接触者と認定されても、職種の特殊性により医療従事者の出勤は、条件付きで認められています。

それでも、条件が多いことと、業務内容が限定されることから自宅待機せざるを得ない、最前線で働けないなどの理由から、結果的に病院全体の人員不足に陥ってしまいます。

沖縄の病院の状況は、私たち医療スタッフにとって他人事ではないため、自分たちの病院が同じような状態にならないように、危機感を募らせているのです。

感染防止対策を思い出して

第5派が一気に沈静化したことと、感染者数が少ない状態が3ヶ月程度続いたことにより、人々の感染対策に対する意識が下がってきていると感じます。

手洗いうがいは励行していますか? バーテーションなしのテーブルで、飲食中に会話していませんか?

アルコール消毒の回数が減っていませんか? ソーシャルディスタンスを忘れていませんか?

ワクチン2回接種は済まされましたか? 追加接種も前向きに検討していますか?

「オミクロン株は空気感染だから関係ない」とは思わずに、もう一度基本に立ち返ってみてくださいね。

私たち一人ひとりの意識で、少なくとも、自分自身を守ることができます。

自分自身を守ることで、私たちの大切な人を守ることができます。

その結果、医療のひっ迫を防ぎ、コロナ以外の医療を必要とする患者さんを守ることにもつながるのです。

体調に異変を感じたら、保健所の指示に従い行動しましょう。

「自分だけは大丈夫」と過信し、自己中心的な行動やふるまいはやめましょう。

発熱の自覚があるのに、飛行機に乗った患者さんがいました。本人にとっては、チケット代や休みの都合など正当化したい理由があるのでしょう。

でも、同じ飛行機の搭乗客は、何も知らずに感染リスクに晒されているのです。本当に残念な行動ですよね。

まとめ

今回は、オミクロン株の感染拡大を受けて、医療機関でコロナ対応している者として思うことをお伝えしました。

オミクロン株の感染スピードは驚異的です。今さら止めることはできないかもしれません。

それでも、一人ひとりの感染対策への意識をもう一度高めることによって、第5派のように一気に沈静化させることができるかもしれません。

自分自身と大切な人を守るために行動してください。

その結果、医療機関のひっ迫を防ぎ、コロナ以外の医療を必要とする患者さんを守ることにつながります。

一人でも病気やケガなどで苦しむ患者さんが少なくなることを祈って。。

最後まで、読んでいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました