添乗員は、就いてからが難しい仕事です。
安全な旅程管理の難しさやサービスの奥深さ、自分の未熟さに悩むこともあります。
そんな時に助けてくれた先輩添乗員からの言葉。
こんにちは!manaです。
今回の【元ツアコンが語る!】シリーズは、先輩添乗員からの忘れられない言葉5選をご紹介します。
添乗員時代の私を支えてくれただけでなく、今でも私の根底にある大切な言葉です。
厳しくも優しい言葉が、これから添乗員を目指す方にも届くと嬉しいです。
一見、語弊が生まれそうな言葉もありますが、きちんと意味があるので、最後まで読んでくださいね。
添乗員が、旅を楽しむ
私が一年目のときに、修学旅行のチーフ添乗員からもらった言葉です。
この言葉が私の添乗員生活を支えてくれたといっても過言ではありません。
「お客さんに旅行を楽しんでもらうには、添乗員が楽しまないといけない」という意味です。
添乗員は、安全で楽しい旅行を提供することが仕事です。
添乗員がピリピリしていたり、疲れた表情で添乗しているとお客さんに伝わってしまいます。
初めての場所は緊張するし、連続添乗で睡眠不足の日もあります。
でも、お客さんにとっては楽しみにしていた旅行です。雰囲気を壊すような振る舞いはできません。
ただ純粋に、「添乗員が旅を楽しむ」
1年目で経験もなく、お客さんとの接し方に悩んでいた私にとって、目の覚める言葉でした。
初めてのチーフ添乗や初めての海外添乗など、緊張する仕事のときほど、自分に言い聞かせていました。
この言葉のおかげで、どんな添乗も乗り越えてこられたと思っています。
サービス業であれば、どの仕事でも通じるものがありますよね。
這はってでも行け
一見、ひどい言葉のように聞こえますね。
添乗員は体調を崩しても、誰かに代わってもらうことが難しい仕事です。
常に、添乗員は飛び回っているので、急遽代わってもらう添乗員が手配できない場合が多いのです。
海外添乗の場合は、事前に航空チケットにパスポート情報を登録しています。
出発当日に添乗員が変更となると、チケットを買い直さないといけません。
キャンセル料を支払い、当日の高額チケットを購入するとなると、会社に損失を与えてしまいます。
また、指名を受けていた添乗であれば、お客さんにも迷惑をかけてしまいます。
体調が悪かろうが、「這ってでも行け」と言われていました。
でも、お客さんも体調が悪い添乗員に、旅行を任せるのは不安ですよね。
添乗員自身も体力的にもキツイし、満足いくサービスを提供できないので精神的にもつらいです。
体調不良で添乗することのないように、普段から「体調管理に気をつけるように」という意味なのです。
「這ってでも行け」と言われたおかげで、体調不良で添乗することの怖さを思い知り、風邪をひかないように気を付けるようになりました。
おかげで、いつも万全の体調で添乗することができ、旅を楽しむこともできる好循環ができていましたよ。
二歩先を考えて行動する
この言葉も、常に言い聞かせながら添乗していました。
目の前のことだけを見て、旅程を管理していると、トラブルが発生したときに対応できません。
二歩先を見ながら、何かあったときのために、数パターン考えておく必要があります。
危機管理能力を鍛えることができるのです。
添乗中は、お客さんも添乗員も移動しているので、座って対策を熟慮する時間はありません。
体と思考を常に動かしながら仕事するため、マルチタスクな能力も鍛えることができます。
二歩先を考えて行動することで得た、危機管理能力とマルチタスク能力は、今も大いに役立っていますよ。
ノウハウは教えられない
この言葉を先輩添乗員に言われたとき、正直怖かったです(笑)
私は手配型添乗員だったので、どれだけ指名をもらうかが収入に直結していました。
先輩になればなるほど、営業担当者やお客さんからの指名が多くなります。
営業担当者のクセや、お客さんに喜んでもらうノウハウも蓄積されています。
添乗員が経験を積んで得た大切なノウハウを、後輩に簡単に教えたくないという思いから出た言葉だと思います。
この言葉を受けたときに、「後輩にノウハウを出し惜しみしない先輩になる」と決意しました。
ノウハウを伝えても、「後輩に追いつかれないように成長すれば良い」と思ったのです。
むしろ、私の負けず嫌いに火をつけてくれた先輩には感謝しています。
プロの世界の厳しさや、後輩の指導する難しさを身をもって学ぶことができました。
自分を守れ
お客さんの安全を守るために、添乗員は自分自身を守らないといけません。
海外添乗時は、特に気を付けていました。
添乗員に何かあると、お客さんを日本に連れて帰ることができないので、責任は重大です。
さらに、添乗員が貴重品や現金を携帯していることを、海外のスリは知っています。
服装で添乗員と分かるので、スリから狙われやすいのです。
添乗員は、お客さんと自分の安全を常に気を張っている必要があります。
空港や街中で、お客さんに話をしている添乗員を見かけたことはありませんか。
ブリーフィングといって、これからの行動を説明しているのですが、添乗員は壁を背にして立っていますよ。
背後からスリに合わないように、壁がある場所でブリーフィングをしています。
添乗員自身を守ることが、お客さんの安全につながるのです。
まとめ
添乗員は、お客さんの安全を守り、楽しい旅を演出することが仕事です。
そのために、添乗員自身が旅を楽しんで、自分自身を守りながら、二歩先を考えて行動する必要があります。
最高のサービスを提供するために、体調管理は怠らず、成功体験も失敗経験のノウハウを蓄積しないといけません。
さらに、後輩を指導しながら、会社の発展に貢献するのが社会人です。
難しいことを言っているようですが、最初から完璧な添乗員はいないので安心してくださいね。
初心を忘れず、真摯に仕事に向き合っていれば、一歩ずつ経験を積みながら成長できると思います。
先輩からもらった言葉で、今も私は支えられています。
これから添乗員を目指す方に、少しでも届けば嬉しいです。
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