添乗員って、どんな仕事してるか分かりにくいですよね?
【元ツアコンが語る!】シリーズでは、添乗員の仕事を詳しくお伝えしています。
こんにちは!manaです。
”旅行は上手くいって当たり前”で、スケジュール通り行って帰ってくるものだと思っている方が多いと思います。
実は、目に見えないところで、小さなトラブルやアクシデントが発生していますよ。
イメージしやすい”あるある”なトラブルと言えば、天候トラブルです。
台風や大雪などで、行程に支障が出てしまうことがあります。
今回は、実際に私が経験した天候トラブルの体験談をご紹介しますね。
ぜひ最後まで読んでみて、参考にしてもらえると嬉しいです。
大雪で高速道路が通行止めに!
私が経験した天候トラブルは、冬の北海道でした。
150人のお客さんの北海道3泊4日旅行で、添乗員は私と、北海道で合流した現地添乗員の2名でした。
最終日に小樽に立ち寄る観光組と手稲山のスキー組に分かれて、新千歳空港から帰るというコースでした。
小樽と札幌をつなぐ高速道路”札樽道”は、大雪や暴風で、冬はよく通行止めになります。
その時も、小樽フリータイム中に、札樽道が止まってしまいました。
再開の見込みはなく、帰りの飛行機の時間は決まっています。さらに、お客さんの半数は手稲山でスキー中です。
150人のお客さんを飛行機の時間に間に合うように、新千歳空港に集合させないといけません。
通常、小樽から新千歳空港までは、高速道路を利用してバスで1時間強の距離ですが、お客さんが利用していた観光バス3台は利用できなくなりました。
札樽道が通れず、通常でも下道で2時間はかかる道中が、雪道でさらに渋滞が予想でき、どれくらいの時間がかかるか分からないからです。
電車で新千歳空港まで移動することを決めました。
しかし、150人分の団体割引乗車券(団券)を用意しなければ、電車に乗ることができません。
営業担当者に連絡し、札幌支店に団券の発行を依頼しました。
全国に支店がある旅行会社だったのが、ありがたかったですね。
小樽のフリータイムが終わるまでの1時間半の間に、札幌まで団券を受け取りに行きました。
その間に、手稲山のスキー組にいる幹事さんに連絡を取ってみましたが、つながりません。
そりゃそうですよね。スキーを楽しんでいる最中です。
とりあえず、つながるまで何度も連絡を取り続けました。
手稲山のスキー場から新千歳空港までも札樽道を通るため、バスから電車移動に変更してもらうように伝える必要があったのです。
150人の大移動!
小樽観光組が再集合した際に、理由を説明し、電車移動に切り替えるという案内をして、小樽駅までバスで移動しました。
最初こそ「え~」という声が上がったのですが、理解し協力してもらえて、とてもありがたかったです。
誠意を持って説明し、ご協力をお願いすると、ほとんどのお客さんは理解してくれますよ。
大量の荷物を持って電車に乗ってもらうのが申し訳なかったのですが、小樽が始発駅のおかげで、お客さんは座ることができました。
何とかスキー組の幹事さんにも連絡が取れて、同様の説明をしました。
スキー組に添乗員はいなかったので、運転手さんとバスガイドさんと連携しながら、最寄りの駅まで送ってもらいました。
無事にスキー組も、新千歳空港への快速エアポートに乗ることができましたが、スキー組の方が荷物が多くて大変そうでした。
新千歳空港駅に到着すると、改札口に先回りしていた現地添乗員が、ターミナルへ誘導してくれました。
大口団体の場合、飛行機のチケットを準備するために、空港に先回りする場合が多いのですが、その時も現地添乗員にお願いしていました。
改札口で準備してくれた搭乗券を受け取り、誘導は現地添乗員にお任せし、私はターミナルに走りました。
広い場所を確保し、来られたお客さんに搭乗券を配布し、搭乗手続きに進んでもらいました。
飛行機が飛ばない?!
無事に全員が新千歳空港に集合できたのですが、大雪の影響で乗るはずの飛行機が到着せず、遅延が確定していました。
飛行機が飛ばないと、もう一泊北海道に宿泊し、翌日の飛行機を手配しなければなりません。
札樽道が止まった段階で、本日中に帰れるパターンと、帰れないパターンを想定して動いていました。
営業担当者に連絡して、新千歳空港付近のホテルと、翌日の飛行機チケットを押さえてもらっていました。
さらに、駅で降りたバスは念のために、下道で新千歳空港に迎えに来てもらうように依頼していました。
団体旅行では、移動・食事・宿泊を押さえておく必要があります。
個人旅行はフットワーク軽く動けますが、団体はそうはいきません。
添乗員は、常に2歩先を考えて、手を打っておきます。
目的地が変更?
ありがたいことに、飛行機が2時間遅れで出発することができました。
でもまだ、油断は禁物ですよ。
滑走路が混み合い、順番待ちのため、なかなか離陸できないのです。
そんな中、目的地の「伊丹空港に着陸できない可能性が出てきた」というアナウンスが聞こえてきました。
伊丹空港は、騒音対策として21時以降の離着陸ができません。
離陸が遅れたため、到着が21時を過ぎてしまうと分かった時点で、関西空港に目的地を変更するとのことでした。
後は、もう祈るしかありません。
ひたすらに「間に合って」と祈り続けていたおかげで(?)ギリギリ21時5分前に着陸することができました。
伊丹空港に到着した頃には、お客さんも私もヘトヘトになっていましたよ。
「移動中は寝る」と決めている私も、さすがに到着時間が気になって寝られませんでしたね。
でも、何とか全員無事に帰ってくることができたので、達成感はひとしおでした。
まとめ
天候トラブル一つを例にとってみても、添乗員は色々な動きをしています。
少しはイメージしてもらえたでしょうか。
お客さんの安全を最優先に、旅行が滞りなく終えることが添乗員の仕事です。
しかし、大なり小なりトラブルは発生します。
その時に大切なのは、常に2歩先を考え、周囲の人の協力を得ながら進めるということです。
このケースでも、営業担当者をはじめ、バス運転手・バスガイド、札幌支店、航空会社の地上スタッフ・CAなどです。
最新の情報を入手し、お客さんに正確に伝えます。
お客さんは不安になっているのて、添乗員の焦った姿を見せてはいけません。
落ち着いて、笑顔を絶やさず、どんな状況でも楽しむ心を忘れず添乗しましょう。
そうすると、トラブル解決の方法も見えてくるし、運も味方してくれますよ。
次回は、海外での飛行機トラブル編をご紹介したいと思います。
コチラからどうぞ↓↓
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