2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主人公・北条義時について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
そもそも誰?いったい何がスゴイの??
北条義時が生きた平安後期から鎌倉初期の時代背景に合わせて解説します。
こんにちは!manaです。
今回は、鎌倉幕府2代執権・北条義時についてご紹介します。
個人的に大好きな時代ですが、日本の歴史上ではサラッと流されやすい時代でもあります。
登場人物や時代背景、ゆかりの地を知ると、ドラマがより面白く見ることができますよ。
「鎌倉殿の13人」を見ている方にも、見ていない方にも興味を持ってもらえると嬉しいです。
平安後期から鎌倉初期
- 1086~1166院政(白河上皇→鳥羽上皇→後白河上皇)
譲位した天皇が、上皇として権力を握っていた時代。上皇が幼い天皇の後見人として政治を動かしていた。
- 1156保元の乱
後白河天皇(兄)と崇徳上皇(弟)の権力闘争。平清盛と源義朝が味方した後白河天皇が勝利し、崇徳上皇は讃岐に流された。
- 1159平治の乱
平清盛と源義朝が対立。平清盛が勝利し権力を拡大。源義朝は殺害され、子の頼朝は伊豆に流された。
- 1163北条義時誕生
伊豆の豪族・北条時政の次男として生まれる。
- 1167~1185平氏全盛期
宋との交易での経済力・軍事力を背景に実権を握り、後白河上皇を幽閉。「平家にあらずんば人にあらず」とまで言われた時代。
- 1180以仁王が挙兵
後白河上皇の第3皇子の以仁王が、平氏討伐の挙兵するも敗れ戦死。
- 1180源頼朝が挙兵
以仁王の令旨を受け挙兵。
- 1185壇ノ浦の戦いで平家滅亡・源頼朝が実権を握る
朝廷より諸国への守護・地頭職の設置を認められ、実質的に権力を得た1185年を鎌倉幕府成立とする見方もある。
- 1192鎌倉幕府創設
源頼朝が征夷大将軍に任じられる。後白河上皇の崩御。
- 1199源頼朝が死去。頼朝の嫡男・頼家が2代将軍に就任
御家人による13人の合議制開始。
- 1203源頼朝の次男・実朝が3代将軍に就任。北条時政が初代執権就任
頼家は謀反の疑いで廃位・幽閉、のちに殺害される。
- 1205北条義時が2代執権就任
時政と牧の方の息子を将軍に擁立するべく画策するも、時政は失脚し出家。
- 1210源実朝が暗殺され、源氏直系が断絶
実朝が頼家の子(公暁)に暗殺される。将軍継嗣問題で幕府と朝廷の関係が悪化。
- 1221承久の乱
後鳥羽上皇(後白河上皇の孫)が義時追討の宣旨を出すも、幕府軍が圧勝。北条家の政治体制は盤石となる。
- 1224北条義時死去
義時の子・泰時が3代執権に就任し、以後16代まで北条家の時代が続く。
北条義時が生きた平安後期から鎌倉初期までの時代は、親子・兄弟など家族間での権力争いが絶えない激動の時代でした。
「昨日の友は今日の敵」の状態の時代を生き抜き、武士政権を確立した事実だけでも「北条義時ってスゴイ!」ですよね。
義時はダークヒーロー?!
「鎌倉殿の13人」の脚本・三谷幸喜さんは、義時について「人間的にずるい部分もあってダークな男」と表現しています。
大河ドラマではダークヒーローをどのように描かれるのか楽しみですね。
北条義時は、本当にズルくてダークヒーローだったのでしょうか。
個人的には、とても「人間らしい」と感じます。
北条義時は若いころから源頼朝の側近として、トップに立つ人の言動や考え方を間近に見てきました。
鎌倉幕府を現代の会社に例えてみると、社長(頼朝)の秘書(義時)として支えたことになります。
社長が亡くなり、次期社長(頼家)を支えるために、13人の重役(御家人)に名を連ねます。
社長一族(頼家・実朝・公暁)の争いと、重役(御家人)間での出世争いが勃発する中、義時は着実に出世の階段を上っていきます。
No.2(時政)の陰謀に対し、真っ向から意見したことにより、周囲の信頼を得ることになった義時。
社長(源氏)一族の断絶と、No.2(時政)の失脚により、最終的に実権を握ることになります。
創業一族(源氏)ではない外部の人間(義時)が最大派閥(北条家)として、会社(幕府)を繁栄させていったのです。
現代の会社に置き換えてみると、「正義のヒーロー」だけでは会社や従業員を守り抜くことは難しいですよね。
もちろん、極悪非道では誰もついてこないし、武士の心得(今でいうコンプライアンス?)もあったはずです。
それでも、隙あらば蹴落とそうとする人たちの中、ズルく賢く生き抜かなければ、トップまで上り詰めることはできなかったと容易に想像できますよね。
だから、北条義時は「人間らしい」と感じるのです。
頼朝の影響を大きく受け、父の時政や姉の政子と力を合わせて北条家の地位を確立し、長期政権の礎を築いた義時は、武士(プレイヤー)というより政治家(マネージャー)の色合いが濃かったのではないでしょうか。
まとめ
北条義時についてご紹介しましたがいかがでしたか。
平安後期は朝廷を中心とした院政の時代。朝廷の権力闘争に武士が巻き込まれていき、平氏が武士として実権を握ります。
源平合戦で勝利した源氏が武士のトップとなり、北条家が鎌倉幕府の執権として武士政権を確立・繁栄させていくのです。
家族観でも争いが絶えない時代を生き抜いた義時は、ズルくて賢いダークヒーローで、とても人間らしい人だったと予想されます。
個人的解釈はそれぞれ違うと思うので、自分なりの義時をイメージしてみてくださいね。
時代背景を理解してドラマを見ると、理解が深まり、より面白く観ることができますよ。
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